直木賞を読んでみる①|宮部みゆき『理由』読書記録

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こんばんは。1K6畳で読書に勤しむ翠です。
今回はタイトルにあるとおり、宮部みゆきさんの「理由」の読書記録です。

「理由」を読むきっかけ 直木賞について

ただのイメージですが、これまで、
直木賞や芥川賞を受賞した作品に対して
苦手意識がありました。
特に決まった理由はないのですが、
なんとなく難しそうというイメージが先行して、
手が遠のいていました。
そもそも、2つの賞がどんな基準で選ばれたものなのか、
どういう意味のある賞なのかがよくわかっていなかったので、改めて調べてみました。

ざっくり言うと、芥川賞は雑誌に発表された純文学作品、直木賞は刊行された大衆文芸作品が対象になるそうです。

そういうことであれば、直木賞のほうが、読みやすいんじゃない?ということで、歴代代表作を調べてみました。
これまで、直木賞に苦手意識があるとは言いつつ、人の平均よりは多くの本を読んできたと思っていたのですが、これが驚き。歴代直木賞受賞作品の中で私が読んだことがあるのは、
「容疑者Xの献身」
「対岸の彼女」
のみ!!2冊のみ!!まじか(笑)

よし、これを機に、直木賞受賞作品から読んでみよう!と思い、自分の生まれ年に刊行された受賞作品で、推し作家の宮部みゆきさんが書かれた、「理由」を選んでみました。

今後は、直木賞受賞作品の読書記録が続くと思いますが、よろしくお願いします。

文庫本だけど分厚い。鈍器本

「理由」を買うぞ!と狙いを定めて本屋さんに向かい、
在庫を検索。新潮文庫の棚を案内されました。
読んでから知ったのですが、この本はもともと朝日文庫から出版されていたのを、新潮文庫から出版しなおしていたようです。
宮部さんがこれまでかかれたミステリー作品の多くが新潮文庫から発行されています。その列に「理由」も並べたいと思ったのが、発行しなおしのきっかけだそうです。(新潮文庫版解説より)

手に取ったときの最初の感想は、「分厚っっ」
これは読み切るのが大変だぞ、、とその場で気合を入れるくらいには、太い文庫本でした(笑)

ネットで検索したときには、
「文庫本で1,265円は高いか、、」と思ったのですが、
800ページに及ぶ作品を実際に目にすると、
むしろコスパが良いのでは?とバグが発生(笑)
迷わず購入しました!

あらすじ

物語は、事件が起きた「その瞬間」から追いかけるのではなく、すでに起きた事件について、関係者の証言を一つずつ集めていくような形で進んでいきます。
たくさんの人へのインタビューを時系列に並べたドキュメンタリーを読んでいるような感覚。
ところが、これだけいろいろな人が話しているのに、事件の全容がなかなか見えてきません。半分くらいまで読んだところで、
「これ、本当に最後には全部わかるんだろうか?」
と、ちょっと不安になりました(笑)

実はこの作品、読み進めていかないと、
・被害者
・加害者
・それぞれのつながりと関係性
のどれもが全然わかりません。

1つ1つピースを揃えていく感覚で読んでいきます。
今回は登場人物が多すぎて、前のブログでも紹介したことのある、登場人物マップの作成は断念しました。

読んでみての感想 体験したことのないワクワク感

大前提、事件はすでに解決しているというところから物語が始まります。

章ごとに出てくる新事実を1つずつ頭の中にためていき、「前の章であの人が言っていたことと、
この章でこの人が言っていることの
“食い違い”はここなのか」といった風に、
誰の視点から見た話なのかによって、その人の立場からかかっているであろうバイアスも予測しながら事実を予想していきます。
時代背景的に、まだタワーマンションが少ないことや、スマホのGPS機能・SNSがないところなどは、今との違いを感じます。
それでも、あちこちからチラ見えする「真実っぽいこと」をかき集める作業はとてもワクワクで、今までにない読書体験でした。

長い物語なのに、1回も飽きることはなくて、「早く続きを読みたい!」の気持ちでグッと集中できる作品でした。

最後に大どんでん返しというスタイルではないので、読み返す必要はなくて、ただただ読み終えたときに満足感に浸ることができます。

これが当時の直木賞なのかと思うと、やはり専門の審査員の方が選ぶ一冊は違うのだなとしみじみと実感させられました。

読む前は、「直木賞受賞作って、なんとなく難しそう」と勝手に距離を置いていた私。
800ページを読み終えた今となっては、食わず嫌いの過ちを後悔、、(笑)
どうやらしばらく、私の本棚には直木賞受賞作が増えていきそうです。

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