こんにちは。1K6畳で読書に勤しむ翠です。
今回は、タイトル通り、一気読みしてしまった
「王国」の感想です。
イヤミスの女王と称される湊かなえさんの小説は、
「次の日の朝に大事な仕事が入っているときには
読み始めてはいけない」
という独自ルールを設けています。
そのくらい、今まで手に取った小説は
すべて一気読みです。
登場人物が多いので、
途中でおやつを挟むときには、
誰がどんな人なのか自分用のメモを用意する必要があるのも湊かなえさんの小説の醍醐味だと思っています。
今回は、コストコで買った
花畑牧場の生キャラメル(大好物)をお供に、
甘いもので頭に栄養を与えながら、
どっぷり集中して読みました。
帯に惹かれて中身をちらり
私は基本的に、小説を購入するときは文庫本が多い人です。(これは前にも書いたかもしれません。)
社会人になって少ししてから、お金を使うことに気前が良くなり(よくない傾向)、単行本にも手が出せるようになりました。
今回は、面陳されている表紙を見て、
「綺麗な表紙だな」と漠然と思った後に、
帯に書かれていた「究極のブロマンス・ミステリ」
という言葉に惹かれて、手に取ってしまいました。
ブロマンスとは、、、?
その場でスマホ検索。
調べてみると、「brother」と「romance」を組み合わせた言葉で、恋愛とは異なる男性同士の深い絆を表す言葉なのだそう。
男同士の絆🤝というと、
とりあえずスポーツマンガや甲子園などを
イメージしてしまう短絡的思考を持っていたのですが、
湊さんが描くブロマンスってなんなんだ、、。
と想像が膨らんでしまい、そのまま購入。
割と大きい本だったのでいつものカバンに入りきらず、
久しぶりに書店のビニール袋を購入しました(笑)
↑謎情報。(笑)
ブロマンスってこういうことなのか、、
最近、小説やドラマ、映画を見ていると、性的マイノリティの人物が登場する作品に出会うことも増えました。
もちろん、それ自体に違和感があるわけではありません。
ただ、ときどき「多様性を描くために配置された人物なのかな」と感じてしまうことがあります。
特に、明るくて、周囲に気を遣えて、自分の弱さを見せない――という似た描かれ方に出会うと、その人自身よりも「マイノリティであること」が先に立っているようで、少し寂しく感じます。
『王国』で描かれるのは、ある目的のために集まった7人の男性たち。
彼らの間にあるものを、恋愛ではなく友情や信頼、連帯として最後まで描いているところが、私はとても好きでした。
「ブロマンス」と聞いて、もっと派手な“男同士の絆!”を想像していたのですが、実際に描かれていたのはもっと静かな関係でした。
みんなそれぞれ秘密がある※ネタバレあり
ストーリーは、1組のカップルが亡くなったところから始まります。
カップル(特に彼女)が亡くなった原因について、
9人が知っている情報を組み合わせながら
パズルのピースを拾い集めるイメージでお話が進んでいきます。
こんなに全員何か抱えていることも少ないだろうなと思うくらい、見事に9人とも秘密や罪悪感を抱えています。
中には「あなたのせいじゃないからそんなに抱え込まなくてもいいのに」と伝えてあげたくなる(誰目線?)方もいて、他責思考で気楽に生きていくことができない不器用さと誠実さを持った人の集まりであることが丁寧に表現されていました。
そしてその不器用さと誠実さを掛け合わせると、
「相手の気持ちに踏み込むまでに、ものすごい助走を必要とする人間」が出来上がるということも伝わってきました。
私の友人にも、同じタイプがたくさんいるので、ちょっと微笑ましくなりました。
イヤミスというより、考えさせられる1冊
王国は、私的にはイヤミスというほど、
人間を嫌いになることはありませんでした。
むしろ、人間の弱さや生きづらさを繊細に表現していて、こういう人同士の気遣いの中での生活は心地よさそうだと思ったくらいです。
何か悪いことをしても、「まぁしょうがない」とその場の状況や他人のせいにして、罪悪感から上手に逃れることができる人もいます。周りから責められることがなければ、「ラッキー♪」くらいで済ませられる人もいるのではないでしょうか。
残念ながら、真面目で誠実な人ほど、そういう受け止め方はできないものです。
「人は何か罪悪感を覚えるできごとが起きたとき、自ら懺悔する機会を奪われてしまうと、たとえそのことについて周りから責められなかったとしても、苦しむことになる」ということが、この小説から伝わる1番大きな教訓になりました。
自分の気持ちに区切りをつけてあげる、受け止めてあげる、許してあげるということは、生きていくうえで大事な場面なんだということを実感しました。
事件の真相を知りたいソワソワだけでなく、
普段の生活で、真面目に生きすぎて疲れてしまう人にも、ぜひ読んでほしい1冊でした📚

コメント