後宮の鳥
中学生のころ、スマホを持ち始めたタイミングで、「魔法のiらんど」という携帯小説サイトにハマっていました。
駆け出しの作家さんたちが書く文章が、当時の自分の言葉にしっくり馴染んで、ファンタジーの世界に入り込める感じが、思春期の私にはちょうどよい娯楽だったのを覚えています。
今回読んだ『後宮の烏』シリーズは、そんな携帯小説の雰囲気を思い出させてくれて、懐かしさとストーリーの新鮮さの両方で、ぐっと引き込まれました。
あらすじ
中華系の歴史ファンタジーである本作は、「鳥妃(うひ)」と呼ばれる特別な妃・寿雪(じゅせつ)が主人公です。
彼女は一応、皇帝の妃という立場にありながら、他の妃とは異なり夜伽をしません。
呪いやまじない、幽鬼が実在する世界の中で、後宮内外で起こる怪異や事件を解決しながら、自らの出生や自由と向き合い、成長していく物語です。
また、皇帝・高峻(こうしゅん)と寿雪の関係性も大きな魅力のひとつ。
恋愛とも友愛とも言い切れない、けれど確かな信頼で結ばれた関係に、自然と惹き込まれていきます。
シリーズは全部で7巻 一気読み
例年、3月は仕事が忙しく、心に余裕がなくなる時期です。
残業時間が増えて、自分の時間は減るはずなのに、なぜかそんなときほど読書がはかどるから不思議です(笑)
(安心してください、ちゃんと働いています🤫)
もともと広告で原作を知り、「いつか読んでみたいな」と思っていたところ、本屋さんでばったり再会。迷わず手に取りました。
そのときは完結していることも知らなかったのですが、4巻ほど読んだあたりで続きが気になりすぎて、残りはメルカリでまとめて購入。
結果、しっかり一気読み。
私の中で、時代劇ファンタジーは中国系・韓国系どちらも“胸きゅん”要素があって好きなのですが、人間関係がドロドロしがちな印象もありました。
その点、この作品は比較的ライトに事件が展開していくので、とても読みやすかったです。
感想(ネタバレ含む)
寿雪と高峻の関係性が、とにかく魅力的でした。
皇帝として政治を安定させるため、複数の妃への配慮を忘れず、誰か一人に寄りかからない高峻。
そんな彼が唯一、素直に頼ることができる存在が寿雪です。
皇帝として政治を安定させるため、複数の妃への配慮を忘れず、誰か一人に寄りかからない高峻。
そんな彼が唯一、素直に頼ることができる存在が寿雪です。
一方の寿雪は、人と深く関わらないように育てられてきたにもかかわらず、とても真面目で優しい性格。
一度関わった人のことは、最後まで守ろうとする、少し危うくて、でも懐の深い人物です。
もしこの二人が結ばれていたら——
そう思わずにはいられない関係性でしたが、あえて別々の道を選ぶ結末。
政治的な安定を最優先にする高峻と、それを理解する寿雪。
その選択はとても理性的で、同時にとても利他的で、「この二人らしいな」と感じて、静かに胸に残りました。
以上、一気読み報告でした📚

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