今年の頭から、日本に住んでいる外国の方や、日本語に不安があるお子さんたちに日本語を教えるボランティアをしています。私が主に担当しているのは、家族ビザで滞在している外国籍の女性たちなのですが、毎週クラスの前後に一緒に遊ぶ女の子(Eちゃん)がいます。
Eちゃんは小学校高学年の女の子で、最近日本に来たばかりの子です。お話しするときは、簡単な日本語と英語を混ぜて話します。とっても純粋な子で、表情から感情が汲み取りにくいところがあり、私なりに慎重に接しています。
先日、Eちゃんとお絵描きをしながら話す時間があり、ハッとさせられたのでここに記録させてください。
Eちゃんは、思春期に入り始めたこともあり、周りの女の子が好きな男の子の話をするのを聞いているのが日課になっているそうです。恋バナ(略し方が古いと言われました(笑))をすると、女の子同士仲良くなりやすいのだそうです。
「先生は好きな人いる?」と、まっすぐな目で聞かれて、いるよと素直に答えてみたのですが、次に彼女から、「どうして好きなの?」と聞かれて、彼女にもわかる言葉で伝えることに難しさを感じました。なんとなく、かっこいいとか優しいとかありきたりな言葉ではなく、もっと的確に恋人の良いところを表現できる単語を探したくなりました。Eちゃんもあまり浅い言葉を期待している感じはなく、続けて「どうやったらその人が好きってわかるの?」と質問してきました。
近くにいた別のボランティアスタッフからは、「先生真面目に考えすぎよーー」と笑われてしまったのですが、なんとなく、本当になんとなく、しっかり練りこんだ答えを出したくなりました。
・その人がつらそうな顔をしていると、助けたくなる
・私のことを全肯定してくれる
・一緒に散歩をしているだけで心の底から幸せだなと思える
こんなことをEちゃんに言ってみました。Eちゃんは「ふ~ん。変わってるね」と一言バッサリ(笑) 結局小学生には難しい回答になっていたようです(笑)
一緒に散歩して楽しかったら好きだなって思う?とほかの先生(大先輩Mさん)に聞きに行ったEちゃん。「素敵だけどそれはすごく大人な“好き”だから、Eちゃんにはまだ早いんじゃない?」と笑われていました。
私が彼をものすごく好きだと思ったきっかけは、大学生のころ。休日に二人で大きな公園を歩いて、片耳ずつイヤホンをつけながら好きな音楽を聴いていたときです。好きな音楽のジャンルが一緒で、歩く速度が一緒で、鼻歌を歌うタイミングが一緒で、何気ない会話が心地よくて、必要以上に気づかいせず、だけどお互いに思いやりは感じる空気が、なんとも言えず心地よかったのを覚えています。こんなこと、Eちゃんにはうまく説明できません(笑)
数分間、ほんっとうに色々頭を巡らせてやっとEちゃんに伝えられたのは、「その人の横にいると、息がしやすい感覚になるよ」でした。なんだかさらに難しい表現になってしまったなと反省していたのですが、Eちゃんは少し笑って、「I can’t understand but I don’t feel you are lying」と言ってくれました。いつか彼女がこの言葉を理解してくれる日が楽しみだと感じました。
27.自分の恋愛観や人間関係の価値観を深く考える
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